しらさわ
司法書士事務所
鹿児島市を中心に
鹿児島県全域対応
  • ホーム 取扱い業務
  • 料金表
  • お問い合わせ
  • アクセス
  • 専門家紹介
  • 鹿児島で会社設立しよう
  • ブログ

生前贈与に対する遺留分侵害額請求は常に認められるのか

2020年 6月 24日 水

以下の事例で考えます。

 

【事例】

Aさんは会社を経営していましたが、生前に長男Bに対して株式全てを贈与し、経営を託しました。その際、会社の経営状態は赤字続きで当時の株式時価総額は0円に近いものでした。

 

その後、Bさんは引き継いだ会社を立て直しました。

そして株式の贈与後8年経過したときにAさんが亡くなりました。

相続人は長男B及び次男Cです。

Aさん死亡時の株式時価総額は1000万円にも達していました。

Aさんの財産はありませんでした。

 

CさんはBさんが受けた株式の贈与を特別受益にあたるとして遺留分侵害額請求権を行使しました。これは認められるのでしょうか? 

 

 

 

【結論】

特別受益の評価は相続開始時を基準に判断されますから、本事例の場合Bさんは1000万円の特別受益を得たことになり、遺留分算定の基礎価額に1000万円が加算され、遺留分侵害額請求が認められそうですが、平成10年3月24日最高裁判決は以下のとおり説示し、一定の事情がある場合には遺留分侵害額請求の対象とならないとしています。

 

 

 

平成10年3月24日最高裁判決

民法903条1項の定める相続人に対する贈与は、右贈与が相続開始よりも相当以前にされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情や相続人など関係人の個人的事情の変化をも考慮するとき、減殺請求を認めることが右相続人に酷であるなどの特段の事情のない限り、同法1030条の定める要件を満たさないものであっても、遺留分減殺の対象となる。

全文→平成10年3月24日 最高裁判所第三小法廷 判決(PDF)

 

 

  

本事例でいうと、Bさんは株価の上昇は自分自身の多年の努力によるものであること、そしてCさんが何ら経営に関与しなかったことなどを最高裁判例でいうところの「特段の事情」として主張立証して争うことが考えられます。

 

 

 

なお、Bさんが相続放棄をした場合はどうでしょうか。

 

 

  

この場合、特別受益としての扱いでは無くなるため、民法1044条が適用されます。

第1044条

贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。

 

 

 

Bさんとしては、株式の贈与を受けた当時、その株式に価値がなかったことを主張し、遺留分権利者に損害を加える認識がなかったことを立証して遺留分算定の基礎財産に同株式の参入を回避することができると考えられます。

 

 

 

※記事に関連したサービスはこちら

相続・遺言書作成←クリック 



ブログトップに戻る
ホームに戻る
  • 相続のこと
  • 遺言書のこと
  • 不動産の登記のこと
  • 借金問題、債務整理のこと
  • 会社法人のこと
  • 暮らしの法律のこと
  • 未分類
  • 2023年3月
  • 2023年2月
  • 2023年1月
  • 2022年11月
  • 2022年6月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年10月
  • 2019年8月
  • 2019年6月
  • 2019年1月
  • 2018年11月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年5月
  • 2018年4月
  • 2017年12月
  • 2017年11月
  • 2017年7月
  • 2017年6月
  • 2017年5月
  • 2017年4月
  • 2017年3月

鹿児島市を中心に営業中です

【TEL&FAX】

0993-73-1323

↑クリックでつながります

【MAIL】

makurazaki@shirasawa-shihousyoshi.com

【営業時間】

9:30~19:00(平日)

土日祝・夜間対応(要予約)


 

メニュー

ホーム 取扱い業務

不動産の名義変更など

相続・遺言書作成

相続 名義変更 Q&A

よくわかる相続 PDF

債務整理

手続きの進め方と費用一覧

成年後見・財産管理

会社設立・法人登記

登記簿謄本取得代行

その他法律相談

料金表

アクセス

お問い合わせ

専門家紹介

鹿児島で会社設立しよう

ブログ



情報発信ブログリンク
司法書士に聞いてみよう 遺言がでてきたぞ 日本司法書士連合会
マンガ 遺言がでできたぞ▲

司法書士 白澤敦行

鹿児島県司法書士会所属 登録番号第850号

鹿児島県行政書士会所属 登録番号第15460127号

 

司法書士 渡邉司

鹿児島県司法書士会所属 登録番号第846号


主な対応地域

鹿児島市 枕崎市  南九州市(川辺町、知覧町、頴娃町) 南さつま市(加世田市、笠沙町、大浦町、坊津町、金峰町) 指宿市 日置市 いちき串木野市 薩摩川内市 姶良市 霧島市 曽於市 白沢 南薩地区全般

 その他も対応致します。お気軽にご相談ください。

ホームに戻る
プライバシーポリシー | サイトマップ
© しらさわ司法書士事務所 All Rights Reserved
ログアウト | 編集
  • ホーム 取扱い業務
    • 相続・遺言書作成
      • 相続 名義変更 Q&A
    • 不動産の名義変更など
    • 債務整理
      • 手続きのすすめ方と費用一覧
    • 成年後見・財産管理
    • 会社設立・法人登記
    • 登記簿謄本取得代行
    • その他法律相談
  • 料金表
  • お問い合わせ
  • アクセス
  • 専門家紹介
    • 絵画作品のご紹介
  • 鹿児島で会社設立しよう
  • ブログ
    • 相続のこと
    • 遺言書のこと
    • 不動産の登記のこと
    • 借金問題、債務整理のこと
    • 会社法人のこと
    • 暮らしの法律のこと
    • 未分類
    • 2023年3月
    • 2023年2月
    • 2023年1月
    • 2022年11月
    • 2022年6月
    • 2021年7月
    • 2021年6月
    • 2021年5月
    • 2020年6月
    • 2020年5月
    • 2020年4月
    • 2020年1月
    • 2019年12月
    • 2019年10月
    • 2019年8月
    • 2019年6月
    • 2019年1月
    • 2018年11月
    • 2018年9月
    • 2018年8月
    • 2018年7月
    • 2018年5月
    • 2018年4月
    • 2017年12月
    • 2017年11月
    • 2017年7月
    • 2017年6月
    • 2017年5月
    • 2017年4月
    • 2017年3月
  • トップへ戻る