土地建物の名義が曾祖父のままである。数字相続も発生しその相続人は20名である。そのうちの一人である孫が20年以上前から本件土地建物を占拠し遺産分割協議に一切応じてこない。どうするか?
☟
遺産分割調停を申し立てることになるが、相続人全員を巻き込むのではなく占拠者以外の相続人に対して相続分の譲渡(民法第905条)交渉を進め、なるべく当事者を減らして調停を申し立てる。
占拠者が調停を無視するならば、占拠者に対して本件不動産への過去の占有行為に対して不当利得として賃料相当額×占有年数×譲渡された持分割合を請求し、応訴せざるをえない状況を作出し、法的解決を図る。
占拠に法的根拠がなければ、「不動産を明け渡しをするかわりに賃料免除する」等の和解というメニューも生まれる。
相続問題で争いがある場合は相続分の譲渡等、広範な知識を駆使することが必要になります。
(相続分の取戻権)
第九百五条 共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
2 前項の権利は、一箇月以内に行使しなければならない。
(不当利得の返還義務)
第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
※記事に関連したサービスはこちら
相続・遺言書作成←クリック