先日、相続のご依頼で少し珍しいものがあったので紹介します。
Q 父の死亡によって、母と子一人が共同相続人となったが、父所有不動産について相続登記処理をしない間に母が死亡した場合、父から子に直接、相続による所有権移転登記ができるか?(できないとすれば、まず母と子の共有名義とし次いで母から子へ持分移転登記をする必要がある。)
A 母が存命のうちに母と子の間において当該不動産を子が相続する旨の遺産分割協議が成立していれば、父名義から子名義に直接所有権移転登記ができます。
添付書面として、母存命時に遺産分割協議が成立していた旨の、子の作成にかかる証明書が必要です。
すなわち母と子の間で作成された母の署名押印がある遺産分割協議書は不要です。(遺産分割は要式行為(法律効果発生のために法律で決められた手続きが必要な行為)ではないため、文書が必須というわけではありません。)
通達や法律を知らずに2つに分けて申請してしまうと手続き費用もそれだけ多くなります。
当事務所は登記件数を無駄に増やして報酬を加算することはございません。気軽にご相談ください。
平成28年3月2日法務省民二第154号法務省民事局民事第二課長通知
所有権の登記名義人Aが死亡し、Aの法定相続人がB及びCのみである場合において、Aの遺産の分割の協議がされないままBが死亡し、Bの法定相続人がCのみであるときは、CはAの遺産の分割(民法(明治29年法律第89号)第907条第1項)をする余地はないことから、CがA及びBの死後にAの遺産である不動産の共有持分を直接全て相続し、取得したことを内容とするCが作成した書面は、登記原因証明情報としての適格性を欠くものとされています(東京高等裁判所平成26年9月30日判決(平成26年(行コ)第116号行政取消等請求控訴事件)及び東京地方裁判所平成26年3月13日判決(平成25年(行ウ)第372号処分取消等請求事件)参照)。
これに対して、上記の場合において、BとCの間でCが単独でAの遺産を取得する旨のAの遺産の分割の協議が行われた後にBが死亡したときは、遺産の分割の協議は要式行為ではないことから、Bの生前にBとCの間で遺産分割協議書が作成されていなくとも当該協議は有効であり、また、Cは当該協議の内容を証明することができる唯一の相続人であるから、当該協議の内容を明記してCがBの死後に作成した遺産分割協議証明書(別紙)は、登記原因証明情報としての適格性を有し、これがCの印鑑証明書とともに提供されたときは、相続による所有権の移転の登記の申請に係る登記をすることができると考えますが、当該遺産分割協議証明書については、登記権利者であるC一人による証明書であるから、相続を証する情報(不動産登記令(平成16年政令第379号)別表の22の項添付情報欄)としての適格性を欠いているとの意見もあり、当該申請に係る登記の可否について、いささか疑義がありますので照会します。
↓法務省回答↓
貴見のとおり取り扱われて差し支えありません。
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